小倉百人一首とは

(Wikipediaより引用)
小倉百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰である。 その原型は、鎌倉幕府の御家人で歌人でもある宇都宮蓮生(宇都宮頼綱)の求めに応じて、定家が作成した色紙である。 蓮生は、京都嵯峨野(現・京都府京都市右京区嵯峨)に建築した別荘・小倉山荘の襖の装飾のため、定家に色紙の作成を依頼した。 定家は、飛鳥時代の天智天皇から鎌倉時代の順徳院まで、100人の歌人の優れた和歌を一首ずつ選び、年代順に色紙にしたためた。 小倉百人一首が成立した年代は確定されていないが、13世紀の前半と推定される。 成立当時には、この百人一首に一定の呼び名はなく、「小倉山荘色紙和歌」「嵯峨山荘色紙和歌」「小倉色紙」などと呼ばれた。 後に、定家が小倉山で編纂したという由来から、「小倉百人一首」という通称が定着した。

歌の一覧

赤い文字は決まり字(歌がるたで、取り札が確定できる字)です。

歌人の名前をクリックすると Wikipedia のページを別ウィンドウ(または別タブ)で表示します。

歌番号 1~25

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
1 秋(あき)の田(た)の かりほの庵(いほ)の とまをあらみ わが衣手(ころもで)は 露(つゆ)にぬれつつ 天智天皇(てんぢてんのう)
2 春(はる)すぎて 夏(なつ)きにけらし 白妙(しろたへ)の 衣(ころも)干(ほ)すてふ 天(あま)のかぐ山(やま) 持統天皇(じとうてんのう)
3 足曳(あしびき)の 山鳥(やまどり)の尾(を)の しだり尾(を)の 長々(ながなが)し夜(よ)を獨(ひと)りかも寝(ね)む 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
4 田子(たご)の浦(うら)に うち出(い)でて見(み)れば白妙(しろたへ)の 富士(ふじ)の高嶺(たかね)に 雪(ゆき)は降(ふ)りつつ 山部赤人(やまべのあかひと)
5 奥山(おくやま)に 紅葉(もみぢ)踏(ふ)み分(わ)け 鳴(な)く鹿(しか)の 聲(こゑ)きく時(とき)ぞ 秋(あき)はかなしき 猿丸大夫(さるまるだゆう)
6 鵲(かささぎ)の 渡(わた)せる橋(はし)に おく霜(しも)の 白(しろ)きを見(み)れば 夜(よ)ぞ更(ふ)けにける 中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
7 天(あま)の原(はら) ふりさけ見(み)れば 春日(かすが)なる 三笠(みかさ)の山(やま)に 出(い)でし月(つき)かも 阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)
8 わが庵(いほ)は 都(みやこ)のたつみしかぞ住(す)む 世(よ)をうぢ山(やま)と 人(ひと)はいふなり 喜撰法師(きせんほうし)
9 花(はな)の色(いろ)は 移(うつ)りにけりな いたづらに わが身(み)世(よ)にふる ながめせしまに 小野小町(おののこまち)
10 是(こ)れやこの 行(ゆ)くもかへるも別(わか)れては 知(し)るもしらぬも 逢坂(あふさか)の關(せき) 蝉丸(せみまる)
11 和田(わた)のはら 八十島(やそしま)かけて こぎ出(い)でぬと 人(ひと)には告(つ)げよ あまの釣船(つりぶね) 参議篁(さんぎたかむら)
12 天津風(あまつかぜ) 雲(くも)の通路(かよひぢ)ふきとぢよ をとめの姿(すがた) しばしとどめむ 僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
13 筑波嶺(つくばね)の みねより落(お)つる みなの(がは) 戀(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる 陽成院(ようぜいいん)
14 陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)故(ゆゑ)に 亂(みだ)れそめにし われならなくに 河原左大臣(かわらのさだいじん)
15 君(きみ)がため はるの野(の)に出(い)でて 若菜(わかな)つむ わが衣手(ころもで)に 雪(ゆき)はふりつつ 光孝天皇(こうこうてんのう)
16 立(たち)別(わか)れ いなばの山(やま)の 峯(みね)に生(お)ふる まつとしきかば 今(いま)かへりこむ 中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)
17 千早(ちはや)振(ぶ)る 神代(かみよ)もきかず 竜田川(たつたがは) から紅(くれなゐ)に 水(みづ)くくるとは 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
18 住(すみ)の江(え)の 岸(きし)に寄(よ)る波(なみ) よるさへや 夢(ゆめ)の通(かよ)ひ路(ぢ) 人(ひと)めよくらむ 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)
19 難波(なには)がた 短(みじか)き蘆(あし)の ふしの間(ま)も 逢(あ)はで此世(このよ)を すぐしてよとや 伊勢(いせ)
20 佗(わび)ぬれば 今(いま)はたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞ思(おも)ふ 元良親王(もとよししんのう)
21 今(いま)来(こ)むと いひしばかりに 長月(ながつき)の 有明(ありあけ)の月(つき)を 待(まち)出(い)でつるかな 素性法師(せいほうし)
22 吹(ふ)くからに 秋(あき)の草木(くさき)の しをるれば むべ山風(やまかぜ)を 嵐(あらし)と云(い)ふらむ 文屋康秀(ふんやのやすひで)
23 月(つき)見(み)れば 千々(ちぢ)に物(もの)こそ 悲(かな)しけれ わが身(み)一(ひと)つの 秋(あき)にはあらねど 大江千里(おおえのちさと)
24 此(こ)の度(たび)は ぬさも取(とり)あへず 手向山(たむけやま) 紅葉(もみぢ)のにしき 神(かみ)のまにまに 菅家(かんけ)
25 名(な)にしおはば 逢坂山(あふさかやま)の さねかづら 人(ひと)に知(し)られで くるよしもがな 三條右大臣(さんじょううだいじん)

歌番号 26~50

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
26 小倉山(をぐらやま) 峯(みね)のもみぢ葉(ば) 心(こころ)あらば 今(いま)一度(ひとたび)の みゆきまたなむ 貞信公(ていしんこう)
27 みかの原(はら) わきてながるる いづみ川(がは) いつみきとてか 戀(こひ)しかるらむ 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
28 山里(やまざと)は 冬(ふゆ)ぞ寂(さび)しさ まさりける 人(ひと)めも草(くさ)も かれぬと思(おも)へば 源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
29 心(こころ)あてに をらばやをらむ はつしもの 置(お)きまどはせる 白菊(しらぎく)のはな 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
30 有明(ありあけ)の つれなく見(み)えし 別(わか)れより 暁(あかつき)ばかり うきものはなし 壬生忠岑(みぶのただみね)
31 朝(あさ)ぼらけ 有明(ありあけ)の月(つき)と 見(み)るまでに よしのの里(さと)に 降(ふ)れる白雪(しらゆき) 坂上是則(さかのうえのこれのり)
32 山川(やまがは)に 風(かぜ)のかけたる 柵(しがらみ)は 流(なが)れもあへぬ 紅葉(もみぢ)なりけり 春道列樹(はるみちのつらき)
33 久方(ひさかた)の 光(ひかり)のどけき 春(はる)の日(ひ)に しづ心(こころ)なく 花(はな)の散(ち)るらむ 紀友則(きのとものり)
34 誰(たれ)をかも しる人(ひと)にせむ 高砂(たかさご)の 松(まつ)も昔(むかし)の 友(とも)ならなくに 藤原興風(ふじわらのおきかぜ)
35 人(ひと)はいさ 心(こころ)も知(し)らず ふるさとは 花(はな)ぞ昔(むかし)の 香(か)に匂(にほ)ひける 紀貫之(きのつらゆき)
36 夏(なつ)の夜(よ)は まだ宵(よひ)ながら 明(あ)けぬるを 雲(くも)のいづこに 月(つき)やどるらむ 清原深養父(きよはらのふかやぶ)
37 白露(しらつゆ)に 風(かぜ)の吹(ふ)きしく 秋(あき)の野(の)は つらぬきとめぬ 玉(たま)ぞ散(ち)りける 文屋朝康(ふんやのあさやす)
38 忘(わす)らるる 身(み)をば思(おも)はず ちかひてし 人(ひと)の命(いのち)の をしくもあるかな 右近(うこん)
39 浅(あさ)ぢふの をのの篠原(しのはら) しのぶれど あまりてなどか 人(ひと)の戀(こひ)しき 参議等(さんぎひとし)
40 忍(しの)ぶれど 色(いろ)に出(い)でにけり わが戀(こひ)は 物(もの)や思(おも)ふと 人(ひと)の問(と)ふまで 平兼盛(たいらのかねもり)
41 戀(こひ)すてふ わが名(な)はまだき たちにけり 人(ひと)知(し)れずこそ 思(おも)ひそめしか 壬生忠見(みぶのただみ)
42 契(ちぎ)りきな かたみに袖(そで)を しぼりつつ すゑの松山(まつやま) 波(なみ)こさじとは 清原元輔(きよはらのもとすけ)
43 逢(あひ)見(み)ての 後(のち)の心(こころ)に くらぶれば 昔(むかし)は物(もの)を 思(おも)はざりけり 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)
44 逢(あ)ふことの 絶(た)えてしなくば なかなかに 人(ひと)をも身(み)をも 恨(うら)みざらまし 中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)
45 哀(あはれ)とも いふべき人(ひと)は おもほえで 身(み)のいたづらに なりぬべきかな 謙徳公(けんとくこう)
46 由良(ゆら)の門(と)を わたる舟人(ふなびと) かぢをたえ ゆくへも知(し)らぬ 戀(こひ)の道(みち)かな 曽禰好忠(そねのよしただ)
47 八重葎(やへむぐら) しげれる宿(やど)の さびしきに 人(ひと)こそ見(み)えね 秋(あき)は來(き)にけり 恵慶法師(えぎょうほうし)
48 風(かぜ)をいたみ 岩(いは)うつ波(なみ)の おのれのみ くだけて物(もの)を 思(おも)ふころかな 源重之(みなもと の しげゆき)
49 御垣守(みかきもり) 衛士(ゑじ)のたく火(ひ)の 夜(よる)はもえて 晝(ひる)は消(き)えつつ 物(もの)をこそ思(おも)へ 大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶあそん)
50 君(きみ)がため 惜(を)しからざりし 命(いのち)さへ ながくもがなと 思(おも)ひけるかな 藤原義孝(ふじわらのよしたか)

歌番号 51~75

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
51 かくとだに えやはいぶきの さしも草(ぐさ) さしも知(し)らじな もゆるおもひを 藤原實方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)
52 明(あけ)ぬれば 暮(く)るるものとは 知(し)りながら 猶(なほ)恨(うら)めしき 朝(あさ)ぼらけかな 藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)
53 なげきつつ 獨(ひと)りぬる夜(よ)の あくるまは いかに久(ひさ)しき ものとかはしる 右大將道綱母(うだいしょうみちつなのはは)
54 忘(わす)れじの 行末(ゆくすゑ)までは かたければ 今日(けふ)をかぎりの 命(いのち)ともがな 儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
55 瀧(たき)の音(おと)は 絶(た)えて久(ひさ)しく なりぬれど 名(な)こそ流(なが)れて 猶(なほ)聞(き)こえけれ 大納言公任(だいなごんきんとう)
56 あらざらむ 此世(このよ)の外(ほか)の 思(おも)ひ出(で)に 今ひとたびの 逢(あ)ふ事(こと)もがな 和泉式部(いずみしきぶ)
57 巡(めぐ)りあひて 見(み)しや夫(それ)とも わかぬまに 雲(くも)がくれにし 夜半(よは)の月(つき)かな 紫式部(むらさきしきぶ)
58 有馬山(ありまやま) ゐなの笹原(ささはら) 風(かぜ)ふけば いでそよ人(ひと)を 忘(わす)れやはする 大貳三位(だいにのさんみ)
59 安(やす)らはで 寝(ね)なましものを 小夜(さよ)更(ふ)けて かたぶくまでの 月(つき)を見(み)しかな 赤染衛門(あかぞめえもん)
60 大江山(おほえやま) いく野(の)の道(みち)の 遠(とほ)ければ まだ文(ふみ)も見(み)ず 天(あま)のはし立(だて) 小式部内侍(こしきぶのないし)
61 いにしへの 奈良(なら)の都(みやこ)の 八重櫻(やへざくら) けふ九重(ここのへ)に 匂(にほ)ひぬるかな 伊勢大輔(いせのだいふ)
62 夜(よ)をこめて 鳥(とり)の空音(そらね)は はかるとも 世(よ)に逢坂(あふさか)の 關(せき)はゆるさじ 清少納言(せいしょうなごん)
63 今(いま)はただ 思(おも)ひ絶(た)えなむ とばかりを 人(ひと)づてならで いふよしもがな 左京大夫道雅(さきょうのだいぶみちまさ)
64 朝(あさ)ぼらけ 宇治(うぢ)の川(かは)ぎり たえだえに あらはれ渡(わた)る 瀬々(せぜ)のあじろぎ 権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
65 恨(うら)みわび ほさぬ袖(そで)だに あるものを 戀(こひ)に朽(く)ちなむ 名(な)こそをしけれ 相模(さがみ)
66 もろともに あはれと思(おも)へ 山櫻(やまざくら) 花(はな)より外(ほか)に 知(し)る人(ひと)もなし 前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)
67 春(はる)の夜(よ)の 夢(ゆめ)ばかりなる 手枕(たまくら)に かひなく立(たた)む 名(な)こそをしけれ 周防内侍(すおうのないし)
68 心(こころ)にも あらでうき世(よ)に 長(なが)らへば 戀(こひ)しかるべき 夜半(よは)の月(つき)かな 三条院(さんじょういん)
69 嵐(あらし)吹(ふ)く 三室(みむろ)の山(やま)の もみぢ葉(ば)は 龍田(たつた)の川(かは)の にしきなりけり 能因法師(のういんほうし)
70 淋(さび)しさに 宿(やど)を立(た)ち出(い)でて ながむれば いづこも同(おな)じ 秋(あき)のゆふぐれ 良暹法師(りょうぜんほうし)
71 夕(ゆふ)されば 門田(かどた)のいなば おとづれて あしのまろやに 秋風(あきかぜ)ぞふく 大納言経信(だいなごんつねのぶ)
72 音(おと)に聞(き)く たかしの濱(はま)の あだ浪(なみ)は かけじや袖(そで)の ぬれもこそすれ 祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)
73 高砂(たかさご)の 尾上(をのへ)の櫻(さくら) 咲(さ)きにけり 外山(とやま)の霞(かすみ) たたずもあらなむ 権中納言匡房(ごんちゅうなごんまさふさ)
74 憂(う)かりける 人(ひと)をはつせの 山(やま)おろしよ はげしかれとは 祈(いの)らぬものを 源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)
75 契(ちぎ)りおきし させもが露(つゆ)を 命(いのち)にて あはれ今年(ことし)の 秋(あき)もいぬめり 藤原基俊(ふじわらのもととし)

歌番号 76~100

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
76 和田(わた)の原(はら) こぎ出(い)でて見(み)れば 久方(ひさかた)の 雲(くも)ゐにまがふ 沖津(おきつ)白(しら)なみ 法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん)
77 瀬(せ)をはやみ 岩(いは)にせかるる 瀧川(たきがは)の われても末(すゑ)に あはむとぞ思(おも)ふ 崇徳院(すとくいん)
78 淡路島(あはぢしま) かよふ千鳥(ちどり)の 鳴(な)く聲(こゑ)に いく夜(よ)ねざめぬ 須磨(すま)の關守(せきもり) 源兼昌(みなもとのかねまさ)
79 秋風(あきかぜ)に 棚引(たなび)く雲(くも)の 絶間(たえま)より もれ出(い)づる月(つき)の 影(かげ)のさやけさ 左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ)
80 長(なが)からむ 心(こころ)もしらず 黒髪(くろかみ)の みだれて今朝(けさ)は ものをこそ思(おも)へ 待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ)
81 ほととぎす なきつる方(かた)を ながむれば ただ有明(ありあけ)の 月(つき)ぞ残(のこ)れる 後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)
82 思(おも)ひわび さても命(いのち)は ある物(もの)を うきにたへぬは 涙(なみだ)なりけり 道因法師(どういんほうし)
83 世(よ)の中(なか)よ 道(みち)こそなけれ 思(おも)ひ入(い)る 山(やま)の奥(おく)にも 鹿(しか)ぞなくなる 皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶとしなり)
84 永(なが)らへば また此頃(このごろ)や しのばれむ うしと見(み)し世(よ)ぞ 今(いま)は戀(こひ)しき 藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけあそん)
85 夜(よ)もすがら 物(もの)思(おも)ふころは 明(あ)けやらで 閨(ねや)の隙(ひま)さへ つれなかりけり 俊恵法師(しゅんえほうし)
86 嘆(なげ)けとて 月(つき)やはものを 思(おも)はする かこち顔(がほ)なる わが涙(なみだ)かな 西行法師(さいぎょうほうし)
87 村雨(むらさめ)の 露(つゆ)もまだひぬ まきの葉(は)に 霧(きり)たちのぼる 秋(あき)の夕(ゆふ)ぐれ 寂蓮法師(じゃくれんほうし)
88 難波江(なにはえ)の 蘆(あし)のかり寝(ね)の ひと夜(よ)ゆゑ 身(み)を盡(つくし)てや 戀(こひ)わたるべき 皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)
89 玉(たま)の緒(を)よ たえなばたえね 永(なが)らへば 忍(しの)ぶる事(こと)の よわりもぞする 式子内親王(しょくしないしんのう)
90 見(み)せばやな 雄島(をじま)のあまの 袖(そで)だにも 濡(ぬ)れにぞぬれし 色(いろ)はかはらず 殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)
91 きりぎりす なくや霜夜(しもよ)の さむしろに 衣(ころも)かたしき 獨(ひと)りかもねむ 後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)
92 わがそでは 潮干(しほひ)に見(み)えぬ 沖(おき)の石(いし)の 人(ひと)こそしらね かわく間(ま)もなし 二条院讃岐(にじょういんのさぬき)
93 世(よ)の中(なか)は 常(つね)にもがもな 渚(なぎさ)漕(こ)ぐ 海士(あま)の小舟(をぶね)の 綱(つな)でかなしも 鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)
94 みよし野(の)の 山(やま)の秋風(あきかぜ) 小夜(さよ)更(ふ)けて ふる郷(さと)さむく 衣(ころも)うつなり 参議雅経(さんぎまさつね)
95 おほけなく 浮世(うきよ)の民(たみ)に おほふかな わがたつ杣(そま)に 墨染(すみぞめ)の袖(そで) 前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)
96 花(はな)さそふ 嵐(あらし)の庭(には)の 雪(ゆき)ならで ふりゆくものは わが身(み)なりけり 入道前太政大臣(にゅうどうさきのだじょうだいじん)
97 來(こ)ぬ人(ひと)を まつほの浦(うら)の 夕(ゆふ)なぎに やくや藻塩(もしほ)の 身(み)もこがれつつ 権中納言定家(ごんちゅうなごんさだいえ)
98 風(かぜ)そよぐ ならの小川(をがは)の 夕暮(ゆふぐれ)は みそぎぞ夏(なつ)の しるしなりける 従二位家隆(じゅうにいいえたか)
99 人(ひと)もをし 人(ひと)も恨(うら)めし 味氣(あぢき)なく 世(よ)を思(おも)ふ故(ゆゑ)に 物(もの)おもふ身(み)は 後鳥羽院(ごとばいん)
100 百敷(ももしき)や 古(ふる)き軒端(のきば)の しのぶにも 猶(なほ)あまりある 昔(むかし)なりけり 順徳院(じゅんとくいん)

決まり字の一覧

決まり字とは、歌がるたで読み札(上の句)を その字まで読んで時点で 取り札(下の句)がわかる字のことです。

たとえば 「一字決まり」は、 “む・す・め・ふ・さ・ほ・せ” という覚え方が有名ですが 歌がるたで 読みが“む”で始まったら 取り札が “きりたちのぼる あきのゆふぐれ” であるとわかるため すぐに札を探すことができます。 逆に一番長い「六字決まり」の場合、“あさぼらけ”まで聴いても 次の六字目を聴くまでは(他の札が取られてなければ)どちらの札か判断することができません。

一字決まり(7枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
70さびしさに やどをたちいでて ながむればいづこもおなじ あきのゆふぐれ
18すみのえの きしによるなみ よるさへやゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
77せをはやみ いはにせかるる たきがはのわれてもすゑに あはむとぞおもふ
22ふくからに あきのくさきの しをるればむべやまかぜを あらしといふらむ
81ほととぎす なきつるかたを ながむればただありあけの つきぞのこれる
87むらさめの つゆもまだひぬ まきのはにきりたちのぼる あきのゆふぐれ
57めぐりあひて みしやそれとも わかぬまにくもがくれにし よはのつきかな

二字決まり(42枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
52あけぬれば くるるものとは しりながらなほうらめしき あさぼらけかな
3しびきの やまどりのをの しだりをのながながしよを ひとりかもねむ
43ひみての のちのこころに くらぶればむかしはものを おもはざりけり
61いにしへの ならのみやこの やへざくらけふここのへに にほひぬるかな
74うかりける ひとをはつせの やまおろしよはげしかれとは いのらぬものを
65らみわび ほさぬそでだに あるものをこひにくちなむ なこそをしけれ
5おくやまに もみぢふみわけ なくしかのこゑきくときぞ あきはかなしき
72とにきく たかしのはまの あだなみはかけじやそでの ぬれもこそすれ
82もひわび さてもいのちは あるものをうきにたへぬは なみだなりけり
26をぐらやま みねのもみぢば こころあらばいまひとたびの みゆきまたなむ
51かくとだに えやはいぶきの さしもぐささしもしらじな もゆるおもひを
6ささぎの わたせるはしに おくしものしろきをみれば よぞふけにける
91きりぎりす なくやしもよの さむしろにころもかたしき ひとりかもねむ
97こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎにやくやもしほの みもこがれつつ
24のたびは ぬさもとりあへず たむけやまもみぢのにしき かみのまにまに
41ひすてふ わがなはまだき たちにけりひとしれずこそ おもひそめしか
10れやこの ゆくもかへるも わかれてはしるもしらぬも あふさかのせき
40しのぶれど いろにいでにけり わがこひはものやおもふと ひとのとふまで
37らつゆに かぜのふきしく あきののはつらぬきとめぬ たまぞちりける
73たかさごの をのへのさくら さきにけりとやまのかすみ たたずもあらなむ
55きのおとは たえてひさしく なりぬれどなこそながれて なほきこえけれ
4ごのうらに うちいでてみれば しろたへのふじのたかねに ゆきはふりつつ
16ちわかれ いなぱのやまの みねにおふるまつとしきかば いまかへりこむ
89まのをよ たえなばたえね ながらへばしのぶることの よわりもぞする
34れをかも しるひとにせむ たかさごのまつもむかしの ともならなくに
17ちはやぶる かみよもきかず たつたがはからくれなゐに みづくくるとは
23つきみれば ちぢにものこそ かなしけれわがみひとつの あきにはあらねど
13くばねの みねよりおつる みなのがはこひぞつもりて ふちとなりぬる
36なつのよは まだよひながら あけぬるをくものいづこに つきやどるらむ
33ひさかたの ひかりのどけき はるのひにしづこころなく はなのちるらむ
90みせばやな をじまのあまの そでだにもぬれにぞぬれし いろはかはらず
14ちのくの しのぶもぢずり たれゆゑにみだれそめにし われならなくに
94よしのの やまのあきかぜ さよふけてふるさとさむく ころもうつなり
100ももしきや ふるきのきばの しのぶにもなほあまりある むかしなりけり
66ろともに あはれとおもへ やまざくらはなよりほかに しるひともなし
59やすらはで ねなましものを さよふけてかたぶくまでの つきをみしかな
47へむぐら しげれるやどの さびしきにひとこそみえね あきはきにけり
71ゆふされば かどたのいなば おとづれてあしのまろやに あきかぜぞふく
46らのとを わたるふなびと かぢをたえゆくへもしらぬ こひのみちかな
85よもすがら ものおもふころは あけやらでねやのひまさへ つれなかりけり
62をこめて とりのそらねは はかるともよにあふさかの せきはゆるさじ
20わびぬれば いまはたおなじ なにはなるみをつくしても あはむとぞおもふ

三字決まり(37枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
79あきかぜに たなびくくもの たえまよりもれいづるつきの かげのさやけさ
1のたの かりほのいほの とまをあらみわがころもでは つゆにぬれつつ
39あさぢふの をののしのはら しのぶれどあまりてなどか ひとのこひしき
78あはぢしま かよふちどりの なくこゑにいくよれざめぬ すまのせきもり
45れとも いふべきひとは おもほえでみのいたづらに なりぬべきかな
44あふことの たえてしなくば なかなかにひとをもみをも うらみざらまし
12あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよをとめのすがた しばしとどめむ
7のはら ふりさけみれば かすがなるみかさのやまに いでしつきかも
56あらざらむ このよのほかの おもひでにいまひとたびの あふこともがな
69しふく みむろのやまの もみぢばはたつたのかはの にしきなりけり
30ありあけの つれなくみえし わかれよりあかつきばかり うきものはなし
58まやま ゐなのささはら かぜふけばいでそよひとを わすれやはする
21いまこむと いひしばかりに ながつきのありあけのつきを まちいでつるかな
63はただ おもひたえなむ とばかりをひとづてならで いふよしもがな
60おほえやま いくののみちの とほければまだふみもみず あまのはしだて
95けなく うきよのたみに おほふかなわがたつそまに すみぞめのそで
98かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれはみそぎぞなつの しるしなりける
48をいたみ いはうつなみの おのれのみくだけてものを おもふころかな
80ながから こころもしらず くろかみのみだれてけさは ものをこそおもへ
84らへば またこのごろや しのばれむうしとみしよぞ いまはこひしき
53なげきつつ ひとりぬるよの あくるまはいかにひさしき ものとかはしる
86けとて つきやはものを おもはするかこちがほなる わがなみだかな
25なにしおはば あふさかやまの さねかづらひとにしられで くるよしもがな
96はなさそふ あらしのにはの ゆきならでふりゆくものは わがみなりけり
9のいろは うつりにけりな いたづらにわがみよにふる ながめせしまに
2はるすぎて なつきにけらし しろたへのころもほすてふ あまのかぐやま
67のよの ゆめばかりなる たまくらにかひなくたたむ なこそをしけれ
35ひとはいさ こころもしらず ふるさとははなぞむかしの かににほひける
99もをし ひともうらめし あぢきなくよをおもふゆゑに ものおもふみは
49みかきもり ゑじのたくひの よるはもえてひるはきえつつ ものをこそおもへ
27のはら わきてながるる いづみがはいつみきとてか こひしかるらむ
32やまがはに かぜのかけたる しがらみはながれもあへぬ もみぢなりけり
28ざとは ふゆぞさびしさ まさりけるひとめもくさも かれぬとおもへば
8わがいほは みやこのたつみ しかぞすむよをうぢやまと ひとはいふなり
92そでは しほひにみえぬ おきのいしのひとこそしらね かわくまもなし
38わすらるる みをばおもはず ちかひてしひとのいのちの をしくもあるかな
54れじの ゆくすゑまでは かたければけふをかぎりの いのちともがな

四字決まり(6枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
29こころあてに をらばやをらむ はつしものおきまどはせる しらぎくのはな
68にも あらでうきよに ながらへばこひしかるべき よはのつきかな
75ちぎりおきし させもがつゆを いのちにてあはれことしの あきもいぬめり
42きな かたみにそでを しぼりつつすゑのまつやま なみこさじとは
88なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑみをつくしてや こひわたるべき
19がた みじかきあしの ふしのまもあはでこのよを すぐしてよとや

五字決まり(2枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
93よのなかはつねにもがもな なぎさこぐあまのをぶねの つなでかなしも
83よみちこそなけれ おもひいるやまのおくにも しかぞなくなる

六字決まり(6枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
31あさぼらけありあけのつきと みるまでによしののさとに ふれるしらゆき
64うぢのかはぎり たえだえにあらはれわたる せぜのあじろぎ
15きみがためはるののにいでて わかなつむわがころもでに ゆきはふりつつ
50をしからざりし いのちさへながくもがなと おもひけるかな
76わたのはらこぎいでてみれば ひさかたのくもゐにまがふ おきつしらなみ
11やそしまかけて こぎいでぬとひとにはつげよ あまのつりぶね