小倉百人一首とは

Wikipediaより引用)
小倉百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰である。 その原型は、鎌倉幕府の御家人で歌人でもある宇都宮蓮生(宇都宮頼綱)の求めに応じて、定家が作成した色紙である。 蓮生は、京都嵯峨野(現・京都府京都市右京区嵯峨)に建築した別荘・小倉山荘の襖の装飾のため、定家に色紙の作成を依頼した。 定家は、飛鳥時代の天智天皇から鎌倉時代の順徳院まで、100人の歌人の優れた和歌を一首ずつ選び、年代順に色紙にしたためた。 小倉百人一首が成立した年代は確定されていないが、13世紀の前半と推定される。 成立当時には、この百人一首に一定の呼び名はなく、「小倉山荘色紙和歌」「嵯峨山荘色紙和歌」「小倉色紙」などと呼ばれた。 後に、定家が小倉山で編纂したという由来から、「小倉百人一首」という通称が定着した。

歌の一覧

赤い文字は決まり字(歌がるたで、取り札が確定できる字)です。

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歌番号 1~25

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
1 あきの かりほのいほの とまをあらみ わが衣手ころもでつゆにぬれつつ 天智天皇てんぢてんのう
2 はるぎて なつきにけらし 白妙しろたへ ころもすてふ あまのかぐやま 持統天皇じとうてんのう
3 あしびき山鳥やまどりの しだり 長々ながながひとりかも 柿本人麻呂かきのもとのひとまろ
4 田子たごうらに うちでてれば白妙しろたへ 富士ふじ高嶺たかねゆきりつつ 山部赤人やまべのあかひと
5 おくやま紅葉もみぢ鹿しか こゑきくときあきはかなしき 猿丸大夫さるまるだゆう
6 かささぎわたせるはしに おくしも しろきをれば けにける 中納言家持ちゅうなごんやかもち
7 あまはら ふりさければ 春日かすがなる 三笠みかさやまでしつきかも 阿倍仲麻呂あべのなかまろ
8 わがみやこのたつみしかぞ をうぢやまひとはいふなり 喜撰法師きせんほうし
9 はないろうつりにけりな いたづらに わがにふる ながめせしまに 小野小町おののこまち
10 やこの くもかへるもわかれては るもしらぬも 逢坂あふさかせき 蝉丸せみまる
11 和田わたのはら 十島そしまかけて こぎでぬと ひとにはげよ あまの釣船つりぶね 参議篁さんぎたかむら
12 天津あまつかぜ くも通路かよひぢふきとぢよ をとめの姿すがた しばしとどめむ 僧正遍昭そうじょうへんじょう
13 波嶺つくばねの みねよりつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる 陽成院ようぜいいん
14 陸奥みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑ みだれそめにし われならなくに 河原左大臣かわらのさだいじん
15 きみがため るのでて 若菜わかなつむ わが衣手ころもでゆきはふりつつ 光孝天皇こうこうてんのう
16 たちわかれ いなばのやまみねふる まつとしきかば いまかへりこむ 中納言行平ちゅうなごんゆきひら
17 千早ちは神代かみよもきかず 竜田川たつたがは からくれなゐみづくくるとは 在原業平朝臣ありわらのなりひらあそん
18 きしなみ よるさへや ゆめかよ ひとめよくらむ 藤原敏行朝臣ふじわらのとしゆきあそん
19 難波なにはみじかあしの ふしの はで此世このよを すぐしてよとや 伊勢いせ
20 わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおも 元良親王もとよししんのう
21 いまむと いひしばかりに 長月ながつき 有明ありあけつきまちでつるかな 素性法師せいほうし
22 くからに あき草木くさきの しをるれば むべ山風やまかぜあらしふらむ 文屋康秀ふんやのやすひで
23 つきれば 千々ちぢものこそ かなしけれ わがひとつの あきにはあらねど 大江千里おおえのちさと
24 たびは ぬさもとりあへず 手向山たむけやま 紅葉もみぢのにしき かみのまにまに 菅家かんけ
25 にしおはば 逢坂山あふさかやまの さねかづら ひとられで くるよしもがな 三條右大臣さんじょううだいじん

歌番号 26~50

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
26 小倉をぐらやま みねのもみぢ こころあらば いま一度ひとたびの みゆきまたなむ 貞信公ていしんこう
27 みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ 中納言兼輔ちゅうなごんかねすけ
28 山里やまざふゆさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば 源宗于朝臣みなもとのむねゆきあそん
29 こころてに をらばやをらむ はつしもの きまどはせる 白菊しらぎくのはな 凡河内躬恒おおしこうちのみつね
30 有明ありあの つれなくえし わかれより あかつきばかり うきものはなし 壬生忠岑みぶのただみね
31 あさぼらけ りあけつきるまでに よしののさとれる白雪しらゆき 坂上是則さかのうえのこれのり
32 山川やまがかぜのかけたる しがらみ ながれもあへぬ 紅葉もみぢなりけり 春道列樹はるみちのつらき
33 ひさかたひかりのどけき はる しづこころなく はなるらむ 紀友則きのとものり
34 たれをかも しるひとにせむ 高砂たかさご まつむかしともならなくに 藤原興風ふじわらのおきかぜ
35 ひといさ こころらず ふるさとは はなむかしに匂にほひける 紀貫之きのつらゆき
36 なつは まだよひながら けぬるを くものいづこに つきやどるらむ 清原深養父きよはらのふかやぶ
37 しらつゆかぜきしく あき つらぬきとめぬ たまりける 文屋朝康ふんやのあさやす
38 わするる をばおもはず ちかひてし ひといのちの をしくもあるかな 右近うこん
39 あさふの をのの篠原しのはら しのぶれど あまりてなどか ひとこひしき 参議等さんぎひとし
40 しのぶれど いろでにけり わがこひ ものおもふと ひとふまで 平兼盛たいらのかねもり
41 こひすてふ わがはまだき たちにけり ひとれずこそ おもひそめしか 壬生忠見みぶのただみ
42 ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑの松山まつやま なみこさじとは 清原元輔きよはらのもとすけ
43 あひての のちこころに くらぶれば むかしものおもはざりけり 権中納言敦忠ごんちゅうなごんあつただ
44 ふことの えてしなくば なかなかに ひとをもをも うらみざらまし 中納言朝忠ちゅうなごんあさただ
45 あはれとも いふべきひとは おもほえで のいたづらに なりぬべきかな 謙徳公けんとくこう
46 由良ゆらを わたる舟人ふなびと かぢをたえ ゆくへもらぬ こひみちかな 曽禰好忠そねのよしただ
47 八重やへむぐら しげれる宿やどの さびしきに ひとこそえね あきにけり 恵慶法師えぎょうほうし
48 かぜいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものおもふころかな 源重之みなもと の しげゆき
49 御垣みかきもり 衛士ゑじのたくよるはもえて ひるえつつ ものをこそおも 大中臣能宣朝臣おおなかとみのよしのぶあそん
50 きみがため しからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな 藤原義孝ふじわらのよしたか

歌番号 51~75

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
51 かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもらじな もゆるおもひを 藤原實方朝臣ふじわらのさねかたあそん
52 あけぬれば るるものとは 知りながら なほうらめしき あさぼらけかな 藤原道信朝臣ふじわらのみちのぶあそん
53 なげきつつ ひとりぬるの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる 右大將道綱母うだいしょうみちつなのはは
54 わすじの 行末ゆくすゑまでは かたければ 今日けふをかぎりの いのちともがな 儀同三司母ぎどうさんしのはは
55 たきおとえてひさしく なりぬれど こそながれて なほこえけれ 大納言公任だいなごんきんとう
56 あらざらむ 此世このよほかおもひ出 今ひとたびの こともがな 和泉式部いずみしきぶ
57 りあひて しやそれとも わかぬまに くもがくれにし 夜半よはつきかな 紫式部むらさきしきぶ
58 有馬ありまやま ゐなの笹原ささはら かぜふけば いでそよひとわすれやはする 大貳三位だいにのさんみ
59 やすらはで なましものを 小夜さよけて かたぶくまでの つきしかな 赤染衛門あかぞめえもん
60 大江おほえやま いくみちとほければ まだふみあまのはしだて 小式部内侍こしきぶのないし
61 いにしへの 奈良ならみやこ八重櫻やへざくら けふ九重ここのへにほひぬるかな 伊勢大輔いせのだいふ
62 こめて とり空音そらねは はかるとも 逢坂あふさかせきはゆるさじ 清少納言せいしょうなごん
63 いまただ おもえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな 左京大夫道雅さきょうのだいぶみちまさ
64 あさぼらけ かはぎり たえだえに あらはれわた瀬々せぜのあじろぎ 権中納言定頼ごんちゅうなごんさだより
65 うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひちなむ こそをしけれ 相模さがみ
66 もろともに あはれとおも山櫻やまざくら はなよりほかひともなし 前大僧正行尊さきのだいそうじょうぎょうそん
67 はるゆめばかりなる 手枕たまくら かひなくたたこそをしけれ 周防内侍すおうのないし
68 こころも あらでうきながらへば こひしかるべき 夜半よはつきかな 三条院さんじょういん
69 あらし三室みむろやまの もみぢ 龍田たつたかはの にしきなりけり 能因法師のういんほうし
70 しさに 宿やどでて ながむれば いづこもおなあきのゆふぐれ 良暹法師りょうぜんほうし
71 ゆふされば 門田かどたのいなば おとづれて あしのまろやに 秋風あきかぜぞふく 大納言経信だいなごんつねのぶ
72 おとく たかしのはまの あだなみ かけじやそでの ぬれもこそすれ 祐子内親王家紀伊ゆうしないしんのうけのきい
73 たかさご尾上をのへさくら きにけり 外山とやまかすみ たたずもあらなむ 権中納言匡房ごんちゅうなごんまさふさ
74 りける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを 源俊頼朝臣みなもとのとしよりあそん
75 ちぎりおきし させもがつゆいのちにて あはれ今年ことしあきもいぬめり 藤原基俊ふじわらのもととし

歌番号 76~100

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札) 歌人
76 和田わたはらでてれば 久方ひさかた くもゐにまがふ 沖津おきつしらなみ 法性寺入道前関白太政大臣ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
77 をはやみ いはにせかるる 瀧川たきがは われてもすゑに あはむとぞおも 崇徳院すとくいん
78 淡路あはぢしま かよふ千鳥ちどりこゑ いくねざめぬ 須磨すま關守せきもり 源兼昌みなもとのかねまさ
79 秋風あきか棚引たなびくも絶間たえまより もれづるつきかげのさやけさ 左京大夫顕輔さきょうのだいぶあきすけ
80 ながらむ こころもしらず 黒髪くろかみ みだれて今朝けさは ものをこそおも 待賢門院堀河たいけんもんいんのほりかわ
81 ととぎす なきつる方かたを ながむれば ただ有明ありあけつきのこれる 後徳大寺左大臣ごとくだいじのさだいじん
82 おもひわび さてもいのちは あるもの うきにたへぬは なみだなりけり 道因法師どういんほうし
83 なか みちこそなけれ おも やまおくにも 鹿しかぞなくなる 皇太后宮大夫俊成こうたいごうぐうのだいぶとしなり
84 ながへば また此頃このごろや しのばれむ うしといまこひしき 藤原清輔朝臣ふじわらのきよすけあそん
85 すがら ものおもふころは けやらで ねやひまさへ つれなかりけり 俊恵法師しゅんえほうし
86 なげとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな 西行法師さいぎょうほうし
87 らさめつゆもまだひぬ まきの きりたちのぼる あきの夕ゆふぐれ 寂蓮法師じゃくれんほうし
88 難波江なにはえあしのかりの ひとゆゑ つくしてや こひわたるべき 皇嘉門院別当こうかもんいんのべっとう
89 たまよ たえなばたえね 永ながらへば しのぶることの よわりもぞする 式子内親王しょくしないしんのう
90 ばやな 雄島をじまのあまの そでだにも れにぞぬれし いろはかはらず 殷富門院大輔いんぷもんいんのたいふ
91 きりぎりす なくや霜夜しもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ 後京極摂政前太政大臣ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん
92 わがそでは 潮干しほひえぬ おきいし ひとこそしらね かわくもなし 二条院讃岐にじょういんのさぬき
93 なか つねにもがもな なぎさ 海士あま小舟をぶねつなでかなしも 鎌倉右大臣かまくらのうだいじん
94 みよやま秋風あきかぜ 小夜さよけて ふるさとさむく ころもうつなり 参議雅経さんぎまさつね
95 おほけなく 浮世うきよたみに おほふかな わがたつそま墨染すみぞめそで 前大僧正慈円さきのだいそうじょうじえん
96 はなそふ あらしにはゆきならで ふりゆくものは わがなりけり 入道前太政大臣にゅうどうさきのだじょうだいじん
97 ひとを まつほのうらゆふなぎに やくや藻塩もしほもこがれつつ 権中納言定家ごんちゅうなごんさだいえ
98 かぜよぐ ならの小川をがは夕暮ゆふぐれ みそぎぞなつの しるしなりける 従二位家隆じゅうにいいえたか
99 ひとをし ひとうらめし 味氣あぢきなく おもゆゑものおもふ 後鳥羽院ごとばいん
100 ももしきふる軒端のきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり 順徳院じゅんとくいん

決まり字の一覧

決まり字とは、歌がるたで読み札(上の句)を その字まで読んで時点で 取り札(下の句)がわかる字のことです。

たとえば 「一字決まり」は、 “む・す・め・ふ・さ・ほ・せ” という覚え方が有名ですが 歌がるたで 読みが“む”で始まったら 取り札が “きりたちのぼる あきのゆふぐれ” であるとわかるため すぐに札を探すことができます。 逆に一番長い「六字決まり」の場合、“あさぼらけ”まで聴いても 次の六字目を聴くまでは(他の札が取られてなければ)どちらの札か判断することができません。

一字決まり(7枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
70びしさに やどをたちいでて ながむればいづこもおなじ あきのゆふぐれ
18みのえの きしによるなみ よるさへやゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
77をはやみ いはにせかるる たきがはのわれてもすゑに あはむとぞおもふ
22くからに あきのくさきの しをるればむべやまかぜを あらしといふらむ
81ととぎす なきつるかたを ながむればただありあけの つきぞのこれる
87らさめの つゆもまだひぬ まきのはにきりたちのぼる あきのゆふぐれ
57ぐりあひて みしやそれとも わかぬまにくもがくれにし よはのつきかな

二字決まり(42枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
52ぬれば くるるものとは しりながらなほうらめしき あさぼらけかな
3びきの やまどりのをの しだりをのながながしよを ひとりかもねむ
43みての のちのこころに くらぶればむかしはものを おもはざりけり
61しへの ならのみやこの やへざくらけふここのへに にほひぬるかな
74りける ひとをはつせの やまおろしよはげしかれとは いのらぬものを
65みわび ほさぬそでだに あるものをこひにくちなむ なこそをしけれ
5やまに もみぢふみわけ なくしかのこゑきくときぞ あきはかなしき
72にきく たかしのはまの あだなみはかけじやそでの ぬれもこそすれ
82ひわび さてもいのちは あるものをうきにたへぬは なみだなりけり
26らやま みねのもみぢば こころあらばいまひとたびの みゆきまたなむ
51とだに えやはいぶきの さしもぐささしもしらじな もゆるおもひを
6さぎの わたせるはしに おくしものしろきをみれば よぞふけにける
91ぎりす なくやしもよの さむしろにころもかたしき ひとりかもねむ
97ひとを まつほのうらの ゆふなぎにやくやもしほの みもこがれつつ
24たびは ぬさもとりあへず たむけやまもみぢのにしき かみのまにまに
41すてふ わがなはまだき たちにけりひとしれずこそ おもひそめしか
10やこの ゆくもかへるも わかれてはしるもしらぬも あふさかのせき
40ぶれど いろにいでにけり わがこひはものやおもふと ひとのとふまで
37つゆに かぜのふきしく あきののはつらぬきとめぬ たまぞちりける
73さごの をのへのさくら さきにけりとやまのかすみ たたずもあらなむ
55のおとは たえてひさしく なりぬれどなこそながれて なほきこえけれ
4のうらに うちいでてみれば しろたへのふじのたかねに ゆきはふりつつ
16わかれ いなぱのやまの みねにおふるまつとしきかば いまかへりこむ
89のをよ たえなばたえね ながらへばしのぶることの よわりもぞする
34をかも しるひとにせむ たかさごのまつもむかしの ともならなくに
17やぶる かみよもきかず たつたがはからくれなゐに みづくくるとは
23みれば ちぢにものこそ かなしけれわがみひとつの あきにはあらねど
13ばねの みねよりおつる みなのがはこひぞつもりて ふちとなりぬる
36のよは まだよひながら あけぬるをくものいづこに つきやどるらむ
33かたの ひかりのどけき はるのひにしづこころなく はなのちるらむ
90ばやな をじまのあまの そでだにもぬれにぞぬれし いろはかはらず
14のくの しのぶもぢずり たれゆゑにみだれそめにし われならなくに
94しのの やまのあきかぜ さよふけてふるさとさむく ころもうつなり
100しきや ふるきのきばの しのぶにもなほあまりある むかしなりけり
66ともに あはれとおもへ やまざくらはなよりほかに しるひともなし
59らはで ねなましものを さよふけてかたぶくまでの つきをみしかな
47むぐら しげれるやどの さびしきにひとこそみえね あきはきにけり
71されば かどたのいなば おとづれてあしのまろやに あきかぜぞふく
46のとを わたるふなびと かぢをたえゆくへもしらぬ こひのみちかな
85すがら ものおもふころは あけやらでねやのひまさへ つれなかりけり
62こめて とりのそらねは はかるともよにあふさかの せきはゆるさじ
20ぬれば いまはたおなじ なにはなるみをつくしても あはむとぞおもふ

三字決まり(37枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
79あきぜに たなびくくもの たえまよりもれいづるつきの かげのさやけさ
1たの かりほのいほの とまをあらみわがころもでは つゆにぬれつつ
39あさふの をののしのはら しのぶれどあまりてなどか ひとのこひしき
78あはしま かよふちどりの なくこゑにいくよれざめぬ すまのせきもり
45とも いふべきひとは おもほえでみのいたづらに なりぬべきかな
44あふとの たえてしなくば なかなかにひとをもみをも うらみざらまし
12あまかぜ くものかよひぢ ふきとぢよをとめのすがた しばしとどめむ
7はら ふりさけみれば かすがなるみかさのやまに いでしつきかも
56あららむ このよのほかの おもひでにいまひとたびの あふこともがな
69ふく みむろのやまの もみぢばはたつたのかはの にしきなりけり
30ありけの つれなくみえし わかれよりあかつきばかり うきものはなし
58やま ゐなのささはら かぜふけばいでそよひとを わすれやはする
21いまむと いひしばかりに ながつきのありあけのつきを まちいでつるかな
63ただ おもひたえなむ とばかりをひとづてならで いふよしもがな
60おほやま いくののみちの とほければまだふみもみず あまのはしだて
95なく うきよのたみに おほふかなわがたつそまに すみぞめのそで
98かぜよぐ ならのをがはの ゆふぐれはみそぎぞなつの しるしなりける
48いたみ いはうつなみの おのれのみくだけてものを おもふころかな
80ながら こころもしらず くろかみのみだれてけさは ものをこそおもへ
84へば またこのごろや しのばれむうしとみしよぞ いまはこひしき
53なげつつ ひとりぬるよの あくるまはいかにひさしき ものとかはしる
86とて つきやはものを おもはするかこちがほなる わがなみだかな
25なにおはば あふさかやまの さねかづらひとにしられで くるよしもがな
96はなそふ あらしのにはの ゆきならでふりゆくものは わがみなりけり
9いろは うつりにけりな いたづらにわがみよにふる ながめせしまに
2はるぎて なつきにけらし しろたへのころもほすてふ あまのかぐやま
67よの ゆめばかりなる たまくらにかひなくたたむ なこそをしけれ
35ひといさ こころもしらず ふるさとははなぞむかしの かににほひける
99をし ひともうらめし あぢきなくよをおもふゆゑに ものおもふみは
49みかもり ゑじのたくひの よるはもえてひるはきえつつ ものをこそおもへ
27はら わきてながるる いづみがはいつみきとてか こひしかるらむ
32やまはに かぜのかけたる しがらみはながれもあへぬ もみぢなりけり
28とは ふゆぞさびしさ まさりけるひとめもくさも かれぬとおもへば
8わがほは みやこのたつみ しかぞすむよをうぢやまと ひとはいふなり
92では しほひにみえぬ おきのいしのひとこそしらね かわくまもなし
38わするる みをばおもはず ちかひてしひとのいのちの をしくもあるかな
54じの ゆくすゑまでは かたければけふをかぎりの いのちともがな

四字決まり(6枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
29こころてに をらばやをらむ はつしものおきまどはせる しらぎくのはな
68も あらでうきよに ながらへばこひしかるべき よはのつきかな
75ちぎりきし させもがつゆを いのちにてあはれことしの あきもいぬめり
42な かたみにそでを しぼりつつすゑのまつやま なみこさじとは
88なにはの あしのかりねの ひとよゆゑみをつくしてや こひわたるべき
19た みじかきあしの ふしのまもあはでこのよを すぐしてよとや

五字決まり(2枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
93よのなかつねにもがもな なぎさこぐあまのをぶねの つなでかなしも
83みちこそなけれ おもひいるやまのおくにも しかぞなくなる

六字決まり(6枚)

歌番号 上の句(読み札) 下の句(取り札)
31あさぼらけりあけのつきと みるまでによしののさとに ふれるしらゆき
64ぢのかはぎり たえだえにあらはれわたる せぜのあじろぎ
15きみがためるののにいでて わかなつむわがころもでに ゆきはふりつつ
50しからざりし いのちさへながくもがなと おもひけるかな
76わたのはらぎいでてみれば ひさかたのくもゐにまがふ おきつしらなみ
11そしまかけて こぎいでぬとひとにはつげよ あまのつりぶね